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世界・地震 · マグニチュードと震度

「マグニチュード7」と「震度7」は何が違う?地震ニュースの数字を正しく読む

マグニチュード7と震度7は同じ数字でしょうか。地震のエネルギーと地点の揺れ、地盤・深さ、気象庁の10階級、MjとMw、速報の改訂、海外の震度尺度を説明します。

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事実、各国の主張、編集部の解説を区別して紹介します。記事の更新日は資料確認日です。速報や現在の戦況・選挙予測を保証するものではありません。

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地震そのものの規模と、各地で観測する揺れを分ける

地震の速報には「マグニチュード7.0」「最大震度5強」のような数字が並ぶ。数字が大きいほど危険、とだけ考えてしまうと、離れた場所で起きた巨大地震と、自分の住む地域を激しく揺らした地震を区別できない。マグニチュードは地震そのものの規模を示す指標、震度は特定の場所で観測された揺れの強さを示す指標だ。同じ地震には通常一つの規模の値が与えられるが、震度は場所ごとに異なる。つまり、「M7」と「震度7」は、似た数字でも測っている対象が違う。

地震の大きさ、地域の揺れ、被害の危険度を混同しないためには、何が測定され、何が推定され、どの段階で数値が改訂されるのかまで知る必要がある。気象庁と米国地質調査所(USGS)の説明をもとに、速報を開いた瞬間にどこを見ればよいかを具体的に整理する。今の地震に対応する際には数値の読み物よりも気象庁・自治体の最新の防災情報と避難指示を優先してほしい。

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まず「一つの地震」と「一つの場所」を分ける

地下で岩盤の破壊やずれが起きると地震波が広がる。地震そのものの規模を表す指標がマグニチュードであり、地震波を受けた各地点がどの程度揺れたかを表すのが震度である。気象庁は電球の明るさと、その周囲のある場所の明るさをたとえにしている。強力な電球でも遠くでは光が弱まるように、大きな地震でも遠隔地の揺れは小さい場合がある。[1]

テレビに表示される「最大震度」は、その地震に関して観測された地点の震度のうち大きいものをまとめて示す表現だ。「各地の震度」は観測地点ごとの結果なので、地震一回について複数の値が出る。震央から遠い都市に住む人が「規模の大きな地震だったと聞いたが、ここではほとんど揺れなかった」と感じても矛盾ではない。逆に規模が相対的に小さくても、浅い場所で起きて住宅地が強く揺れることはある。規模を直接の被害規模だと決めつけないことが出発点となる。

「震源」は地下で地震が発生した位置、「震央」はその真上の地表位置である。震央までの地図上の距離だけでは、地下深さを含む震源からの距離を表しきれない。そのため、同じ県内でも地震波の届き方が違う。ニュースでMだけを見て判断するのではなく、震源の場所と深さ、地元の震度、関連する警報をそれぞれ確認する必要がある。これらは相互に関連するが、同じデータではない。

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マグニチュードは「一つ増えたら少し増える」数字ではない

マグニチュードは単純な等間隔の物差しではない。気象庁の説明では、標準的な地震波の放出エネルギーとの関係で、Mが1大きくなるとエネルギーは約32倍、2大きくなると約1,000倍になる。M7とM6の差は、数字上は1だけでも、その地震から放出されたエネルギーの規模は大きく異なる。だから「M8はM7より一割強い」というような計算は成立しない。[1]

ただし、エネルギー比をそのまま住宅の揺れや被害の比率にしてはいけない。「M7の地震がM6の32倍の建物を壊す」という意味ではないからだ。災害への影響は震源深さ、断層の動き、地盤、建物の耐震性、人口分布、津波や土砂災害の有無などによって変わる。マグニチュードの32倍という説明が答えているのは地震波のエネルギーに関する質問であり、死傷者数や被災面積の予測ではない。

例えば架空の事例として、海の深い所でM8の地震が起き、ある都市では弱い揺れを観測したとする。別の日に都市の直下でM6の地震が起き、同じ都市では激しい揺れとなったとする。この二例は規模と地域の揺れが一致しないことを示すための架空の比較であり、M8の地震が常に安全という意味では全くない。海域の地震では津波など別の危険があり得るため、揺れの小ささだけで判断してはならない。

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日本の震度は0から7までの「10階級」

日本の震度は0、1、2、3、4、5弱、5強、6弱、6強、7の10階級で表す。5と6が「弱」「強」に分かれるため、単純に0から7までの8段階ではない。気象庁は計測震度計で揺れの波形を観測し、計算した計測震度から階級を決める。1996年4月以降の気象庁の震度は、原則として人の印象で決めるものではない。[2]

「震度7」という表現を、あらゆる揺れに対して無限に細かく段階を分けた最大値だと勘違いしないことも必要だ。気象庁が示す計測震度の区分では、震度7は計測震度6.5以上で、上限を設けた区分ではない。震度7と報じられる二地点でも、観測された揺れの性質や実際の被害は同一とは限らない。反対に計測震度5.4と5.5のように区切りをまたぐと、発表される階級は5強から6弱へ変わる。数字の境界を越えたこと自体は測定区分の違いを表し、現地の建物すべてが一斉に同じ壊れ方をしたという意味ではない。[3]

速報で「○○市は震度5弱」と見えても、全市域の地表で寸分違わず同じ揺れが生じたと保証されてはいない。震度情報は観測点での値を土台にしており、地形や地盤により近い場所でも違いが出る。気象庁によれば、同じ市町村や隣接地域でも柔らかい地盤と硬い岩盤などの条件で震度が異なり得る。観測点が設置されていない場所の震度は、観測値からの推計として示される場合があるので、観測値と面的な推計を区別して読むことが役立つ。[1]

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離れていても揺れる、近くても揺れが違う理由

大きな地震を遠くで感じにくい基本的な理由の一つは、地震波が伝わる過程で振幅が小さくなるからだ。しかし、それだけで地域差を説明することはできない。地震波が通る岩盤や地盤の特性、盆地状の地形、周波数成分、建物の高さなどが観測や体感に影響する。地表近くの柔らかい地盤で揺れが増幅される場合があり、同じ震源からほぼ等距離の二地点でも同じ震度になるとは限らない。[1]

高い建物の上階で大きく揺れた人が、街の震度情報を見て「自分の経験と一致しない」と思うこともある。気象庁の震度計は原則として地表や低層建物の1階に設けられており、中高層建物の上層階では地表の値より大きく揺れる場合がある。「震度と自分が感じた揺れが違うから情報が間違っている」とは即断できない。建物自体の応答と、地域の観測点で測った地震動が違う対象だからだ。

さらに深いところで地震が発生した場合、震央に近い場所より遠方で揺れが目立つ「異常震域」が起きることがある。気象庁は、沈み込む海洋プレートが地震波を比較的減衰させずに伝える性質を説明している。普通は距離とともに揺れが弱くなりやすいが、地下の伝わり方が一様でないため例外が生じる。こうした現象を「震央から離れているから計器が誤作動した」と説明するのは誤りである。[1]

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マグニチュードにもMjとMwという違いがある

地震の規模を一つの数字で表す方法も実は複数ある。気象庁は主に気象庁マグニチュード(Mj)とモーメントマグニチュード(Mw)を用いる。Mjは地震計で観測した波形の最大振幅を基礎に、距離などの影響を補正して求めるため、比較的速く算出できる。Mwは地下の断層が動いた面積、ずれた量、岩石の硬さに関わる「地震モーメント」と結び付く指標で、巨大地震の規模を物理的に評価するのに適している。[4]

ここで、Mjは日常用、Mwは研究用という単純な区分をしてはいけない。気象庁の公式説明では、Mjは地震や津波の第一報など迅速な発表と過去の活動比較に役立ち、Mwは巨大地震の規模の把握や情報更新にも使われる。一方でMwは波形全体の分析に時間が必要になり、極めて小さな地震の規模を迅速に決めるには向いていない場合がある。違いは信頼できる・できないの二択ではなく、観測対象と計算に必要な情報、速さと大きな地震への適性の差である。[4]

海外の速報でUSGSの値と気象庁の値にわずかな差があるとしても、どちらかが必ず虚偽ということにはならない。世界の地震観測網、推定法、更新時点などが違うためだ。同じ事象の比較なら、どの機関が何時の時点で発表し、MjかMwかなどの指標を示しているかを確かめる方が、数字だけを並べるより正確になる。「マグニチュードの国際統一規格が一種類だけある」と考えることはできない。[4]

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地震の数値が後から変わるのは「ごまかし」ではない

発生直後は、限られた観測点のデータを使って早く規模と震源を推定する必要がある。時間がたてば、別の観測点からの波形が集まり、解析も進む。気象庁は発生直後の「速報値」と、より多くの資料を使って計算する「暫定値」を区別している。さらに精査して確定値へ進む場合もある。したがって、最初にM6.8と報じられ、後で別の値になったとしても、更新という事実だけでは初報が不誠実だったことの証拠にはならない。[1]

過去の地震で公表された規模も、計算法の改善によって見直されることがある。気象庁は1995年の兵庫県南部地震について、当初のM7.2が改訂後の計算でM7.3となった例を説明している。古い記事を引用する際には、新しい値がどの時点の資料かを見ないと、同じ地震について二つの数字が存在する理由を誤解する。科学的な推定値に版や発表時刻が必要なのは、このためである。[1]

ただし「後で変わることもある」ことを理由に、初動の防災情報を無視してよいわけではない。第一報は不確実性を含みつつも、避難や身の安全に関する判断のために時間を優先して発表される。特に津波に関する警報や避難指示は、規模の数字が最終確定するまで待つことを前提としていない。新しい情報で警報の内容が更新されたら、古い画面ではなく公式の最新情報を確認する必要がある。

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世界の地震ニュースの「Intensity」は日本の震度と同じか

英語の記事で「magnitude 7.5」と書いてあれば、地震そのものの規模を表す値として読む。一方「intensity VII」とローマ数字で書かれている場合は、米国などで用いられる改正メルカリ震度階(Modified Mercalli Intensity, MMI)かもしれない。USGSは、MMIを人が受けた揺れ、物体や建物への影響などを基に表す地点別の尺度として説明する。日本の震度計に基づく0〜7の尺度と一対一で換算することはできない。[5]

「海外で震度IX、日本では最大7だから海外の方が絶対に二段階上」という比較は成り立たない。MMIと日本の震度は区分の考え方も資料の取り方も異なる。USGSのMMIがローマ数字で表されることはニュースを読む目印となるが、単位の違いだけで被害を決めるのは危険である。もし海外の記事で「M」と「IX」が並んだら、Mが規模、IXが地点別の揺れの影響を表しているのか、見出しと注記を確認するのがよい。

外国の被害写真を見て「震度7相当」と断定する行為にも注意したい。写真から建物の倒壊は分かっても、耐震設計、地盤、老朽化、浸水などの影響を取り除いて地震の揺れだけを確定することは難しい。国際比較では震度の名称をむやみに日本の言い方へ置き換えず、現地機関が用いた尺度を説明付きで残した方が誤解が少ない。

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速報を見たときの三つの実用的な読み方

第一は、自分の地域に関係する揺れや警報の確認である。全国最大の震度だけでなく、住所の近くの観測情報、自治体が発表する避難情報、建物や道路の安全情報に注意する。市町村名が同じでも局所的な地盤差があり、現場で損傷や危険が見られるときに「表示震度は低いから大丈夫」と断定してはいけない。公式の推計震度分布図は役立つが、それもすべての建物を個別診断する地図ではない。

第二は、地震の規模を理解するためのMと震源の確認である。同じ地域の揺れを受けていても、地震が海域の広い断層で起きたのか、都市の近くの浅い場所で起きたのかにより、追加して警戒すべき事象は違いうる。Mの大小だけでは津波の有無、地盤の液状化や土砂災害を完全には予測できない。情報に津波警報などが付いているかを別に見ることが必要で、数値の比較をしている間に警報への対応を遅らせてはならない。

第三は、発表時点の確認である。SNS上で数時間前のMや震度の画像を見たら、気象庁の現在の発表と日時を照合する。速報値と暫定値の違いを知っていれば、値が改訂されたという一点だけで陰謀や隠蔽を語る説明に流されにくい。「どの地震」「いつの解析」「どの指標」「どこの観測点」という四点をそろえると、別の地震の数字を誤って足し合わせたり比較したりする危険も減る。

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結論|Mは震源の規模、震度はその場所の揺れ

マグニチュードが示すのは地震そのものの規模であり、震度は各地で観測された揺れの強さである。Mが1増えると標準的な地震波エネルギーは約32倍となるが、それは被害が必ず32倍になるという意味ではない。日本の震度は0〜7の10階級で、海外の改正メルカリ震度階とも機械的に一致しない。地盤、深さ、距離、建物の特性によって一つの地震の震度が場所ごとに異なることを理解すると、速報の二つの数字は矛盾せず読める。[1][2][5]

次に地震ニュースを見たら、Mだけに注目せず、地元の震度、震源と深さ、速報か更新値か、別途発表されている警報を分けて確認してほしい。それぞれ別の問いに答える数字だからこそ、合わせて読む価値がある。強い揺れを感じたり警報が出たりした場合は、記事の理屈を確かめることより先に、安全確保と公式の防災情報への対応を優先する。

SOURCES & CONTEXT

出典・一次資料

  1. 気象庁「震度・マグニチュード・地震情報について」(FAQ「震度とマグニチュードはどう違うのですか?」「エネルギーの関係」「速報値・暫定値」「異常震域」等)
  2. 気象庁「震度について」(震度の計測方法、10階級)
  3. 気象庁「計測震度の算出方法」(表1・階級境界)
  4. 気象庁「地震情報等に用いるマグニチュードについて」(Mj・Mwの対照表)
  5. USGS「The Modified Mercalli Intensity Scale」(概説)

公的文書、国連資料、選挙機関などの一次資料を優先します。政府資料はその政府の立場を示すこともあり、出典があることだけで中立とみなさず、事実と解釈を分けて伝えます。

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