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日本・海外旅行 · 帰国時の免税と申告

海外の免税店で買ったのに日本で税金がかかる?帰国時の20万円ルールを整理

海外の免税店で買っても、日本への輸入時に課税されることがあります。20万円枠、少額品目、単品高額品、酒・香水、別送品の合算と申告を税関の説明で整理します。

世界の見取り図 編集部公開 資料確認・更新 13 分で読めます

事実、各国の主張、編集部の解説を区別して紹介します。記事の更新日は資料確認日です。速報や現在の戦況・選挙予測を保証するものではありません。

01

外国の免税と、日本へ持ち込む際の免税は別

海外旅行の帰り、空港の「DUTY FREE」で買った時計や化粧品を持って日本へ戻る。「免税」と書かれていたのだから、日本でも税金はかからないはず――そう考えてよいのだろうか。答えは購入した国で税金が免除されても、日本への持ち込みが自動的に免税になるわけではない、である。出発地の売り場での税と、日本に輸入するときの税は、別の国の別の制度だからだ。

日本の税関は、海外旅行者が持ち込む個人使用の品について、種類や金額に応じた免税範囲を設けている。一般の買い物なら海外市価の合計で20万円が目安になるが、1万円以下の品目の扱い、20万円を超える単品、酒や香水などの別枠があり、単純に「買い物合計20万円まで」と暗記すると間違える。出発前や買い物中に何を記録すればよいか、架空の旅行例と税関の公式説明に沿って確かめよう。[1]

02

最初に、どの国の「免税」なのかを分ける

海外の空港や市街地では、観光客向けに現地の付加価値税などを免除または払い戻す仕組みがある。そこで安く購入できたことと、商品を持ち帰った日本側で税がかからないことは、論理的に別の判断だ。店舗の「免税」の表示はその店の制度や取引条件を示すもので、日本の税関が帰国者の持ち込む全商品を無条件に認めた証明書ではない。

たとえば外国で25万円相当のバッグを現地の免税価格で購入した場合、出発地で消費税に相当する税が免除されても、日本での免税判定は別に行われる。日本の税関の公式案内には、1個で海外市価20万円を超える品物は、その全額が課税対象になると明記されている。[1] 「超えた5万円だけ課税」とは限らない点が重要だ。実際の税率や税額は品目などで異なり、この例だけでいくら支払うかまでは決められない。

外国の免税制度そのものも一律ではない。外国で商品を受け取るのか、税の払い戻しを後から受けるのか、出国時に書類を提示する必要があるのかは国と販売方法で違う。日本での関税・消費税の取扱いを理解するために、外国の免税条件まで世界共通だと仮定する必要はない。むしろ「外国の制度で得た免税」と「帰国時の免税」を別の箱に入れて考えた方が、旅先で混乱しない。

03

日本の「20万円」は、何に対する上限か

日本税関の「海外旅行者の免税範囲」によれば、対象は、海外から入国する人の携帯品や条件を満たす別送品のうち、個人的に使用すると認められる物品だ。酒類・たばこ・香水の枠と区別される「その他の品目」は、基本的に海外市価の合計額20万円までが免税とされる。携帯したものと別送したものは合算する。[1]

ここでいう「海外市価」は、税関によれば外国での通常の小売購入価格を指す。現地通貨の額を円に直す場合、カード会社の請求画面や旅行者が検索したその瞬間の為替相場を無条件に採用するわけではなく、税関が定める公示レートで円貨換算する。[1] 例えば旅行者のスマートフォンに「約19万8,000円」と表示されたとしても、税関の計算上でも必ず同じ額になるとは限らない。

また、これは商品の「数」に対する一律の上限ではない。旅行用の服を数点購入しても、全部で海外市価が枠内なら免税の条件を満たし得る。一方、高価な時計一個だけで枠を超えれば、その品の価額全体が課税対象となることがある。購入時点の割引や「免税店」という店名に着目するより、何を、いくらで、どれだけ日本に持ち込むのかを確認することが先だ。

旅行先に長く滞在していたから枠が必ず倍になるわけでもない。免税枠は帰国した人ごとに適用される制度であり、商品を多数持ち込んで販売しようとする場合などは、個人的使用としての旅行者の扱いができないことがある。[1][2] 旅行者用のルールを商業輸入へ機械的に広げないようにしたい。

04

少額商品と高額商品。三つの買い物を比べる

税関の公式ページには、1品目ごとの海外市価の合計額が1万円以下であれば原則免税となり、20万円の枠の計算に含めなくてよいとある。例えば1個1,000円のチョコレート9個や、1本5,000円のネクタイ2本という例が掲載されている。[1] ここでの「1品目ごと」という条件を、「1万円以下の品なら何個でも無制限」と読み替えるのは危険だ。何が同じ品目に当たるかを踏まえて合計するからである。

次の表は、一般品だけを対象にし、税関の評価額をあらかじめ円表示で確定したと仮定する架空の例だ。税関の実際の品目区分や課税計算を代行するものではない。

架空の持ち帰り品一般品の海外市価(税関換算後と仮定)判断の要点
バッグ8万円+靴6万円+服5万円合計19万円それぞれ個人使用と認められれば20万円枠内
時計1個25万円単品25万円1個20万円超なので全額課税対象となるルールに注意
ネクタイ2本(各5,000円)+上着15万円ネクタイ1品目合計1万円、上着15万円ネクタイが少額品目の条件に該当すれば枠計算から除外し得る

同じ20万円という数字でも、表の2行目だけ事情が違う。高額な単品を持ち込む場合には、一部だけを免税枠に入れると考えず、品物全体について税関の扱いを確認しなければならない。一方、複数の商品を買い、総額が20万円を超える場合は、税関が旅行者に有利になるよう免税となる品目を選んで課税すると説明している。[1] したがって「21万円買ったから1万円だけに必ず課税される」と単純化することもできない。

税額は品物の種類や適用される税率、数量、評価額などが分かって初めて計算できる。この記事の表は免税対象を見極めるためのもので、買い物の損得や現地税還付額を予測するものではない。高価な商品の場合は領収書、価格表示、型番を整理して税関相談窓口へ事前確認しておくと安心だ。

なお、この20万円枠は、旅行者が携帯・別送して持ち込む品のための制度である。日本の自宅から普通の海外通販で注文して直送してもらう商品まで、旅行者としての免税枠がそのまま使えると考えてはいけない。航空便で届く通信販売の品は、輸入の形態と適用手続きが異なる。逆に、旅行者自身が海外で購入して発送した品でも、別送品としての条件と申告を満たすか確認が必要だ。商品の「買った国」だけでは、税金の取扱いは決まらない。

05

香水・酒・たばこは20万円の一般品枠と別に扱う

旅行のお土産には、一般品と違う単位で免税を判定するものがある。日本税関の案内では、酒類は760ml換算で3本、香水は2オンス(約56ml)を免税範囲の目安としている。たばこには製品の種類別の数量条件があり、酒・たばこについて20歳未満の人には免税枠を認めない。[1] ここでいう数字は、日本へ入国する人についての免税範囲で、海外の店が販売してよい数量を定めたものではない。

例えば「外国の免税店で酒を4本買えたから日本へも4本免税で持ち込める」という結論にはならない。購入可能だったことと、日本へ持ち込むときの免税は別だ。また「香水」としての扱いと、オーデコロン・オードトワレの扱いも税関の備考に違いがあり、見た目が似た商品でも一律に同じ区分と決めない方がよい。[1]

20万円分のバッグと香水、酒を一緒に買ったときも、単純に買い物を全部足して一般品20万円枠だけで判定する方法では足りない。まず品目の種類を分け、該当する個数・容量・価額の規則に当てはめる。酒・たばこの規則は細かく、時期によって変更され得るため、この記事で詳しい商品の組み合わせによる上限を網羅したとは考えず、税関の最新一覧を見ることが必要だ。

06

免税なら日本に持ち込める、とは限らない

支払う税金の話と、持込みが許されるかという話も違う。例えば肉製品や生鮮果物、植物の一部などは、動物検疫・植物検疫などの対象となる。税関の公式案内では、生肉だけでなく乾燥肉・ハム・ソーセージも動物検疫の説明に挙げられている。また果物、野菜、切り花、土の付いた植物なども植物検疫に関係し得る。[3]

つまり海外で安く買ったハムが少額の免税枠に収まっていても、検疫の条件を満たさなければ持ち込めない場合がある。「課税されない」と「輸入が許される」を混同してはいけない。これは薬や化粧品、野生動植物由来の製品など、別の法律で数量や輸入が管理される可能性のある品にも関わる。[3]

お土産として人気があるから安全に持ち込めるだろう、と判断するのも避けたい。検疫や輸入規制は国の動物・植物・人の安全を守るための仕組みであり、価額が安いことでは免除されない。購入予定の食品があるなら、現地の店頭表示を信じる前に、日本側の動物検疫所・植物防疫所や税関の最新情報を調べる方が確実だ。

07

スーツケースで運ぶ品と、別送する品を合算する

帰国時に荷物が多ければ、土産品の一部を別便で日本へ送ることがある。税関の説明では、一定の条件を満たす「別送品」も旅行者の免税枠に関係するが、手元のかばんと別送品を分けて20万円ずつ免税にできるわけではない。携帯品と別送品は合算される。[1] そのため、旅行中に自宅宛てに発送した荷物のリストも保管しておく必要がある。

例えばスーツケースの一般品が15万円、別送品が10万円なら合計25万円となる。この架空例では20万円枠を超える可能性があるが、何を免税品として選べるかは個々の品目と税関の扱いによる。1万円以下の品目や単品20万円超の例外まで確認しないまま「5万円に課税」と結論づけない。さらに別送品には申告方法や期間の条件があり、荷物が届いてから自動的に旅行者免税となるわけではない。[1][2]

免税範囲の説明では、別送品は入国・帰国後6か月以内に輸入するものが対象だ。発送時には外装や送り状などへ「別送品(Unaccompanied Baggage)」と明示し、帰国者本人を名宛人にする。店から送ってもらう場合も、別送品を扱える運送業者か確認しておく。[1][4]

税関の別送品手続案内は、入国時に申告書を2通提出し、確認印を受けて戻った1通を受取りの通関まで保管する流れを示している。帰国後に別送品の申告を追加することはできないため、荷物がまだ届いていなくても入国時の申告を忘れない。書類の要否を到着後に初めて調べると、残っている免税枠を使えないことがある。電子申告を使う場合も、別送品の確認書類をどう受け取るかを税関で確認しよう。[4][5]

家族旅行でも同様に、誰が使うものかを整理する。税関の免税範囲は一人当たりのルールで、人数だけを掛けて高額な一人用商品を人数分に分割することを認める説明ではない。日本税関は6歳未満の子どもについても、おもちゃなど子ども自身の使用が明らかなものを除いて免税枠を認めないと記載している。[1] 高額商品を家族の人数で機械的に割って判断するのは避けるべきだ。

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「値札の円換算」で判断すると何がずれるのか

海外で同じ金額を使っても、買い物直後のカード明細、為替情報サイト、税関の評価には違いが出ることがある。日本税関の公式ページは、海外市価の円貨換算に「定められた公示レート」を用いると説明している。[1] カード会社が請求額を決める際の換算時点や海外事務処理手数料と、税関が輸入価額を判定するための換算方法は、目的が異なる。例えばカード請求額に手数料が含まれていたからといって、その合計だけから税関の海外市価が分かるわけではない。

簡単な架空例で考える。海外で300単位の通貨を使った。旅行者が購入時に見た換算レートは1単位100円、カード請求の換算レートは1単位103円だったとする。買い物時の目安は30,000円、カード請求の単純換算は30,900円だが、どちらが税関評価になるかはこの二つの数字だけでは決まらない。税関が公示した適用レートを確認する必要がある。この例の「100円」「103円」は実際の通貨・為替・公示レートではなく計算説明用の架空値である。

もう一つ、購入価格と一般的な小売価格が大きく違う中古品や、付属品・セット販売なども自分で判断しにくい。税関の公式ページが示しているのは海外市価という原則であり、あらゆる購入形態について「レシートの金額をそのまま採用する」とまでは書いていない。[1] 特殊な品は必要書類を税関へ示し、評価を個別に確認する。安く買えたことを理由に申告が不要になるわけではない。

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税関で何を申告し、何を見せればよいのか

日本の税関は、日本に入国するすべての人に携帯品・別送品に関する申告手続きを求めている。申告対象の確認には輸入禁止・規制品も含まれ、免税枠を超えている人だけが申告をすればよいわけではない。現在はVisit Japan Webによる電子申告と紙の申告書が案内されているため、到着空港の方法を確認しておく。[2][5]

税関は海外で購入したお土産などについて、領収書やカード利用控えの提示を求めることがあると説明している。[2] レシートには購入日、現地通貨、商品名が記載されている場合が多い。外貨で支払った商品の円換算額を、旅先のカードアプリで撮ったスクリーンショットだけで証明しようとするのではなく、元の販売価格が分かる書類も残しておこう。

空港での判断が不安なら、申告を省くより先に税関相談官へ確認したい。個人使用か販売用か、高額な単品があるか、別送品があるか、検疫対象らしい食品を持つかを説明できるようにしておく。税額をすぐ算出できなくても、事実を整理して正しく申告する姿勢が大切になる。

海外旅行で免税の買い物をしたときは、まず「外国で免税になった税」と「日本に入るときの税」を切り離す。次に日本側では一般品の20万円枠、少額品目、単品20万円超、酒・たばこ・香水の特別枠、検疫・規制品、別送品との合算を確認する。この順序で調べれば、帰国した空港で初めて税金の仕組みに驚く可能性を減らせるだろう。

SOURCES & CONTEXT

出典・一次資料

  1. 財務省税関「海外旅行者の免税範囲」(公表・更新日:確認対象ページに明記なし)
  2. 財務省税関「入国時の税関手続」(公表・更新日:確認対象ページに明記なし)
  3. 財務省税関「7107 Import of Animals and Plants Carried in as Baggage」(公表・更新日:確認対象ページに明記なし)
  4. 財務省税関「別送品手続(渡航先から荷物を送る)」(公表・更新日明記なし)、発送・入国時申告・到着後の手続
  5. 財務省税関「入国(帰国)時における『携帯品・別送品申告書』の提出」(公表・更新日明記なし)、電子申告と紙の様式

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